赤字の恐怖が、あなたの日常を侵食する。じんわりと伝わるホラー小説です。

この作品には幽霊や妖怪はまったく登場せず、人間が一番怖い存在だと告げています。

文芸部の先輩が部員のノートに無断で赤字を書き込む行為が原因で、部員が学校に来られなくなるというホラー小説です。

日常の中に潜む恐怖を巧みに描写し、情景描写と心理表現が見事です。先輩の行為が引き起こす心理的な圧迫感と、それがもたらす結果がリアルに描かれており、私を小説の世界に引き込む力があります。ネタバレは避けますが、特に真相が明らかになる瞬間の緊張感は圧巻です。身が竦む思いの素晴らしい作品をありがとうございました。