人外?ちゃんロリババアさんたちといろいろしたりする

ぬあぴん

竜のロリババアであるのわさまと夜道を歩くだけ

…………よっと。……………余に抱えられての空の旅はどうであったかな?……………そうか、それは何よりだ。…………。…………さて。…余は貴様に手籠めにされた上、更には貴様と離れられぬ身体にされて家まで拉致されることになってしまったわけだが………語弊がある?間違ってはおらんだろう?ふふっ♡………だが、貴様の街に行くその前に、村の者にこの山を離れることを伝えておかねばな。………なので…………少々お時間を頂いてもよろしいでございますか、お前さま?♡…………ふふ、そうか。よい心がけであるぞ♡


………それで貴様、村はずれの集会所から余の祠のところまで来たのだったな?…………うむ、そうか。…それでは、その集会所まで向かうとするか。…では、ゆくぞ。………。……なんだ、どうしたのだ?余の後ろに立って……。……なに?…………ここまでどうやって来たのか、酔っていて覚えていない、だと?………………。…集会所から余の祠までは一本道ではないというのに、よく道に迷わなかったな貴様……………まあよい。……取り敢えず、そこの階段を下りるぞ。…………傾斜が急だから気をつけるのだぞ。…………なんだと?……余の体躯が小さくて危なっかしい、だと?…………あのな、幼子に見えるかもしれぬが余は竜であるぞ?余の身体能力であれば階段で転倒することなどあり得ぬし、億が一に転倒したとしてもこの肌にはかすり傷一つつかぬわ。…………。…………ああもうわかったわ、そのような顔をするでない。……余の前に立って、階段から転げ落ちないように位置どることを許してやろう。…ほれ、そこに立つがよい。……………先程はあれだけ、余の躰を激しく攻めたというのに、そういうところは気にするのだな。…やはり人間の考えることは分からぬことが多いわ………ふう。


………………ほれ、階段の下までついたぞ。もうよいであろう。……右は森、左は畑、後ろは余のいた山だが………まずは右に曲がるのだ。……。…………ん…?……今度はどうした、もじもじして……。…………小便か?……はあ。……まあ体が冷えたのなら仕方がないな。……待っているからその辺りで済ませよ。手早くな。………畑には入らんようにするのだぞ。


終わったか?……そうか、ならば行くぞ。…………。……………………。…………お、流れ星。…………。…………。…………先ほどから気になっておったのだが…………余の小さな歩幅に合わせて歩くのがやけに上手いな、貴様。……余の見た感じ、貴様は独り身であるようだが………子供が身近にいる生活でもしているのか?それも…………まぐわいをするような相手とかが。………余のような体型に欲情するぐらいだから、そう考えるのは当然であろう?………そういう関係の相手ばかりではない?…………そういう関係のちいさな者が、近くにいることはいるのだな。………年齢は余と同じようにちゃんと合法?…………ほんとかのう?…………まあよいわ。



……………余のしっぽ、やはり気になるか?……先程から余のしっぽが振れるたびに視線をそちらへ向けておるであろうが。…………。………歩きながらでよいなら、上に上げてやるから好きに触るなり握るなりするとよいぞ。……ただ、硬いから顔面に当たらぬよう気を付けるがよいぞ。………んんっ…………。



…………。…………………。…なあ、やはり会所の方まで、貴様を抱えて飛んで行ったほうがよかったか?それとも空間転移でも…………。………。….…余と一緒に、「特に理由も無く歩きたかった」?…だからこれでいい?………。……………………。…………貴様……ん……。…その、何というか………性的嗜好以外の点でも、……変わっている、と他人に言われてきてはいないか……?…………そうでもない?…ほう、そうか………。…………ふふ。……やはり変わり者の側には変わり者が集まるということかな?……いや、よいぞ、よい。……………ああ、そういう変わり者は別に、余は嫌いではない…………。



……………………ふうぅぅぅ………。………ああ、夜風がだいぶ温かくなっておるな。………まだまだ冷えるとはいえ、もう春か……。…………うむ、今回余が眠りについたのは、冬の始まる頃であったからな……。…………。…………ん?……ああ、つい立ち止まってしまっておったな。……いや、あの辺りに……あの山の中腹あたりには、何本か桜の樹があるのだが………この気温がこのまま続くのなら、あと3日ほどで咲き始めるかと思うのだが………。……しばらくはこの山も見納めか……。…………ZOOMなどで映してもらうという手もあるが、やはり生で観たいものだからな……。……………?何を不思議そうな顔をしている。………スマホを使う竜を見るのは始めてか?……最強種でも電子機器ぐらい使うに決まっておるだろう。

…………まあ、それはよいとして………あの桜が満開になるのを生で観られるのは、少なくとも来年以降になるのが、少々心残りだな…と感じてな………。………………そう申し訳なさそうな顔をするでない。どんな勝負であろうが、敗北の原因がたとえ余の油断であろうが…………負けは負け、契約は契約だ。胸を張って、自分は竜に勝利した、と主張すればよいのだ。余としても、久々に里の外に出てみたかったというのもあるしな。…………だから、これでよかったのさ。…貴様が余の下まで来たのも…来られたのも、そして余に勝利したのもきっとまあ、何かの縁であろう。………だから、よいのだ。……………………。…………畑道に出たな。…………ああ、ここもそのまま真っすぐでいいぞ。その、街灯のある道の方へ行けばよい。………あの街灯、5年ほど前にはまだ無かったのだがな…………。



……………………うむ………うむ………ああ、そうだ。余の力が強すぎて。………つ・よ・す・ぎ・て!…余から漏れ出るその力に惹かれ、本来なら特に用も無い魔物やらが、この村には多く寄ってきてしまっていたのだ。………だから、余がいなければ、この村が―――あ、そこは左だ。少し道幅が狭くなっているが、そこから行くのが集落に一番近いぞ。……この村が、これ以上襲われることもあるまい。……しばらくの間は、余がいなくなったことを知らずに迷い込む妖怪たちもあるだろうが…。…………まあ、山の動物たちに任せておけば問題も無かろう。あやつらなら……うわっなんだ貴様、目を血走らせ、て……。…………ああ、なるほど……。……うむ。…うむ、いるぞ。……貴様の性癖に刺さりそうな…………ケモ耳美少女にも獣人形態にも、変化できるだけの力を持つ動物たちが、な……。………余の眠っている間は、かの者たちに山や村の守護を任せていたりもしたのだぞ。……………いや、駄目だぞ今回は。………貴様、今日中に家まで戻らねばならんのだろう?…………………名残惜しげな声をあげおって……。……おいこら来た道を戻ろうとするな。諦めよ。…………今日のところは、な。



…………貴様は普段からこんなふうに、田舎の道を歩いたりするのか?…………普段は住んでいる街で?毎日のように脇道とか廃墟とか林とかに?…ほほう……。………………。…………それなら貴様…トマソンとかも、好きであったりするのでは?………ふっ、やはりな………。



…………………うむ、そこを左だ。…そこを曲がればそろそろ集落の灯りが見えてくる。…………。……………………。……北斗七星を見ておるのか……?……………。……………………かつて、あの星まで余は飛んでいったことがあると言ったら……貴様は信じるか?…………ふっ。……冗談に聞こえたか?ふふふ…………。………………………………。………ああ、集会所が見えてきたな。………………。………ふむ、こんな時間なのに電気がついたままであるが………。………この音……。……いびきの音かこれは。…また明かりを点けっぱなしのまま爆睡しおって、あやつら………。

……………………さて。貴様との夜の散歩も、これで一段落というわけだ。………………少しは、楽しめたかな?……………………そうか。………それなら、何よりだ……………………ふふ。

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