(番外編)第6話 エピローグ
予約の日、予約時間の10分前にユズル君はニイハオ鍼灸院にやって来た。
「先生、僕もう偏頭痛治りました!」
「そうか!」
「歩海さん。お母さんに話してくれてありがとうございました!」
彼のその表情からご両親との関係がうまくいっていることが伺える。
「このラブレターどうする?」
待合にいたルアンが尋ねる。
「破いちゃおうか?」
レイナも尋ねる。
「そうだね……今度はどちらかにだけ本当のラブレターを書くよ」
「どっち?」「私?」
ちょっと赤くなって恥ずかしそうにあいまいな微笑みをうかべるユズル君。
「でもダメなんだ~。私たちもう婚約してるから」
「ええ!?やっぱりあの噂は本当なの?」
「本当だよ。ほら」
そう言って二人はブラウスの中からネックレスを引っ張りだした。
「これ婚約指輪。その人にもらったんだー」
「二人とも同じ指輪って……まさか相手は同じ人なの!?」
目配せしてにっこり微笑むルアンとレイナ。私はそんな3人の会話を受付のパソコンの陰からこっそり見ていた。
その相手って私なんだ。ごめんねユズル君。
= おわり =
ニイハオ飯店 ~旅するキッチンカー~ @nakamayu7 @nakamayu7
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