夢見るアニマ

魂《アニマ》、この世界に満ち溢れる生命の源。美しい街並み、壮大な自然、摩訶不思議な現象の全てをアニマが創造している。もちろん人間にもアニマは宿る。
しかし、稀にアニマを持たずして生まれる赤子もいる。「魂から解放された者」として「リベレータ」と人々は呼ぶ。リベレータには残酷な未来しかない。20歳までしか生きられない。アニマの呪いとも言われるこの運命を受け入れるか、抗うか、それを決めるのは本人たちのみ。
始まりの大陸南部にあるリダの村にも、リベレータである少女がいた。少女の名はアネモネ。彼女は幼くして奴隷に売り出され、未来に絶望していた。そこに冒険者の青年レヴィが彼女の前に現れて、奴隷から解放する。レヴィはふと昔のことを思い出して少女に問うた。
「君の夢はなんだ？」
アネモネは絶望の中から小さな…続きを読む