深く、深く…沈んでいく。愛という名の、血の海の底へ…

抑えきれない愛情、抑えきれない憎しみ、そしてその果ての狂気。
衝撃的すぎる展開に圧倒され、息をのみ、涙してしまいました。

まるで深夜の映画館で何時間も食い入って観たような
その余韻に浸って丸一日物想いに耽ってしまえそうな
そんな読後感を味わえました。

愛と憎しみは、紙一重であるように思います。

愛するからこそ、人は苦しみ、憎み、
手に入らない幸せを妬み、復讐する…

そこには本当はたくさんの愛が溢れていたのに
どれも手に掴むことはできない…
そのボタンの掛け違えが、1つでも違っていたら…
…そう思わずにはいられません。

デュランの生きてきた地獄のように長く、短い人生に
胸が締め付けられます…。

なにが悪で、なにが善なのか。
なにが正しくて、なにが間違いなのか。
そんなことを考えてしまいました。

デュランの母が歌う子守歌が、映像のように脳裏に焼き付いております。
感動の物語を読ませていただき、ありがとうございました。

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