斬新で壮大、それでいて不思議とほのぼの。魅力いっぱいの小説です

 冒頭からもう、「これ、絶対に楽しいぞ!」と感じさせられました。

 大好きだったおばあちゃんが死んでしまい、生き返らせたいと願う主人公。
 彼はちょうど「神様」からなんでも願いを叶えてもらう権利を得ていた。

 『全地球人で「じゃんけん大会」を行い、それに優勝した者が願いを叶えられる』

 この設定の段階で、もう頬が緩んでしまいます。なんか可愛い。
 じゃんけん大会にまつわるルールとか設定も面白く、その大会過程を描くだけでも一本作品を作れるレベル。

 これだけでも十分に面白いのですが、優勝してからの『神様』のやり取りもまた意外性に満ちていました。

 二転三転。そしてオチの付け方も絶妙。その上で壮大で緻密。
 何から何まで完璧な、とてつもなく面白い作品です。

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