理性的な狂気の発露


 興味深いホラーだった。

 理性とは「間」であり、それは「身体」をまたぐ間に生まれるものである。

 語り部の意見は(根拠の有無はともかく)頷ける点も多かった。

 すぐに激昂する人のことを「瞬間湯沸かし器」と指したり、アンガーマネジメントの基本が「時間を置く」であることからも説得力がある。

 上記の理屈がメカニズムだとすると、長年疑問に思っていた「ホラーのお約束」にも、得心がいった。

 以上から、ジャンルはホラーで合っているが、エッセイでもいけそうな感じはした。

 どれだけいるかは分からないが、作中に登場する「理論解説」部分が好きな人にはオススメしたい。