嵐の下を、いざ進め

嵐の接近と街で強盗が発生したことによって、船が出せない状況のセントローレンス港にて。スクーナー船の船長・コリンスは、次の公演のために、いち早く出発したいカルテットの頼みを受けて、嵐渦巻く沖合へと向かう――
十九世紀のアジアの港町を舞台にした歴史小説。イギリスの保護領なので、ヨーロッパ人やアジア人関係なく、様々なバックボーンを抱えた人たちが出てきます。
のちの時代を知る私達には、その後に訪れる歴史の嵐の予兆を感じ取ってしまいます。それでも、そこの人々には仲良く言葉を交わす時間があったのだと、感慨深く読み終えました。