半額シールの貼られた作品、誰かの手に取られることを、私は望む

ごく短い中に
視点をひっくり返す仕掛けと
凝縮されたテーマが込められております

この揺さぶり様は、読者の見て見ぬふりを許しませんでした
ちょっとした違和感が納得に変わるとき
読み手の心に爪痕が残るでしょう

奇しくもこの作品は
間もなく親元の手に返されることになるらしいです

いわば『半額シール』が貼られたお総菜の状態

そうなってしまう前に
この作品に出会えなかったことが悲しく
こぼれ落ちる前に、出会えたことが嬉しく
そして、このカクヨム界隈には
そんな喪われる寸前の名作が、あと幾つあるのかと
恐怖さえ感じます