「母」がいなかったら、ここに私はいないだろう

とある商会の執務室に置かれた、何とも奇妙な贈り物。ネルはそれを眺めながら、贈り主に思いを馳せる。
巨大な商会の栄光から没落、そして再起までを、一人の従業員の目線から描いた異世界もの。直接登場しないものの、彼らを振り回した女傑の実情が浮かんできます。
「産みの母」でも「育ての母」でもない、別の形での「母」との関わりが見えてきます。感情の清濁の先にある、確かな感謝の気持ちを感じました。