第6話 金縛りの原因
出発の為防衛隊の面子は準備を進めていた
「隊長のルイリィがヴァルキリーだから差し詰めヴァルキリー防衛隊って所かな?」
「当の本人はヴァルキリーと言う称号は嫌ってるけどな…戦乙女なんて明らかに女性を指すものだからな」
騎士達の間でそんな話がされている事はルイリィ達は知らずにいた
ある夜ルイリィは金縛りのような症状を感じた
寝ていると重くて身動きが取れず口が塞がれて息も出来ない
目を覚ましてみると誰も居ない
「これが金縛りというやつなのか?」
その後同じ症状が3日ほど続いた
そしてその次の日の夜は眠れずにただベッドに横になっていると何者かが部屋に入ってきた気配がした
咄嗟にルイリィは寝たふりをするとその人物はルイリィの上にのしかかってきた
「だ…誰だ!」
思わず声を上げると聞き覚えのある声がした
「何だ…起きてたのか…」
「お前…バルクレオ?何してる!まさか寝首を掻きに来たのか?」
「違うな…俺がしてるのは夜這いってやつだよ」
そう言うとバルクレオはルイリィの唇に自分の唇を重ねた
「!!」
引きはなそうとするが凄い力で押さえつけられた
次の瞬間バルクレオはルイリィの舌に舌を絡めて来た
初めてのディープキスにルイリィは戸惑いながらも胸が高鳴った
「今日はここまでにしとくか…あまり焦る事も無さそうだからな」
「なっ…お前…何を考えてる?!」
「正直に話すわ…俺はルイリィお前に惚れちまったみたいだ…そんな女の顔されたらたまらなくなる…これ以上やると止められなくなるからな…続きはまた今度な」
そう言ってバルクレオは部屋から出て行った
ルイリィはベッドの上で顔を真っ赤にして布団を被るのだった
翌朝…バルクレオはいつもと変わらない様子で出発の準備を進めていた
ルイリィも何事も無かったように精一杯振る舞った
バルクレオに対して抱き始めた気持ちが何なのか戸惑っていた
その変化に気づいたのはランドルだった
「どうしましたルイリィ様?何だかいつもより上の空のようですが…お身体の調子が悪いのですか?」
「何でも無い…考え事をしていただけだ…気遣ってくれてありがとう…」
その言葉にランドルは嬉しくて浮き足立つのだった
その様子を見ていたバルクレオはこう呟くのだった
「いつかアイツとは決着を付けなければならない日が来そうだな」
着々と出発準備が進んで行くとルイリィ達の部隊に国王陛下から贈り物が届けられた
それは真新しい武器と装備だった
「凄え!今まで使っていたのより高価で強力なやつじゃ無いか!」
「それだけ陛下が俺達を気遣って下さってるという事だよな?」
「それだけ道中が危険だという意味でもあるな…全員無事に帝国に辿り着きそして帰還するのを目指す事が陛下の想いに報いるんだ」
こうしてルイリィ達防衛隊は帝国へ向かって出発する事になったのだった
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