第7話 裏門の守護者

ルイリィ達ヴァルキリー防衛隊のメンバーは出発する為に城下町の裏門の方に来ていた


正門だと目立ちすぎて騒ぎになるからだ


「ハルク…裏門を開けてくれないか?」


ハルクと声をかけられた者は巨体を持つオーガ族の男だった 


「ルイリィ達お揃いじゃ無いか…どうしたんだ?」


「陛下の命令でこれから帝国領に行って来るんだ…留守を頼むよ」


「わかった…気をつけて行って来い…無事に帰って来いよ」



バルクレオは初めて目にするオーガ族に戸惑っている


「オーガ族に裏門守らせてるのか?初めて見たけど本当にデカいんだな」


「ああ…彼はオーガ族でも小柄な部類に入るらしいぞ。昔父上がオーガ族の里に出向いてスカウトして来たらしい」


「スカウトってどうやったんだよ?」


「直接戦って勝ったらしい…父上の異名はオーガキラーだからな」


「バケモンか騎士団長様は?!」


「そう思うよな…色んな種族を仲間にして統率をとって国を守ってるんだからな…本当に凄い人だよ父上は」

 

「ルイリィは騎士団長様の事を尊敬しているんだな…」


「ああ…僕の目標とする人だよ。親の七光りだと言われないように顔に泥を塗らないように日々精進してるつもりだよ」


「ルイリィは頑張ってるよ!俺達も騎士団員を親に持つメンバーだからな…昔から誰よりも努力してるのを知ってる」


「そうそう…だから俺達も信頼してるよ。性別関係なく尊敬もしてる」


「僕もみんなを頼りにしてるよ!良い仲間に支えられて幸せだよ本当に…」


「俺もその仲間に入れるかな?」


バルクレオは羨ましそうに言った


「何言ってるんだ?もう既に僕達の大切な仲間だろ?」


ルイリィは笑顔でそう言った


「僕はまだ認めて無いけどね…」


セージムは不満そうに呟いた


ランドルも黙っているがずっとバルクレオを睨みつけていた


「ルイリィはモテモテだなぁ…みんな仲良くしろよ〜ここは俺が守るから安心して行って来てくれよ」


ハルクが後押しするようにそう言った


「帝国領に行くにはここから出た方が近道なんだよ…昔まだ王子だった国王様もよく抜け出していたらしい」


「その話知ってる〜確か帝国の姫君に会いに行ってたとか何とか…」


「そうそう!その帝国の姫君が今のお妃様なんだよね」


「そのお陰で冷戦状態だった帝国と友好関係に成れたらしいからな」


「前国王の代に帝国領に居た聖女様を国に連れて帰ったために度々小規模な戦いはあったらしいね」


それを聞いたバルクレオは興味を惹かれてようでもっと詳しく話を聞きたいと申し出た


「続きは帝国領を目指しながらにしようか?」


そう言いながら裏門から出発した

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