もも色の小さな手のうえすぐ融けてハテナ顔するはじめての雪
もも
年に一度降るか降らないかという雪にはじめて触れたおさな子は、ふしぎなものを訝しむような顔をしている。
はじめ警戒し、次いでしげしげと見、それから興味をもってまた観察する。
物問いたげに母の顔を見上げると、母は「雪」という。
子は「ゆき」と声にしてたしかめる。
それからまた手にかかる雪を見る。
白い綿のようだったものがじきに手のうえで水に変わるのを観察する。
その横顔は、まるで哲学者のようなむずかしい顔になっている。
哲学とはそもそもこんなところに起点があるのだったなと思い出す。
※ 4句目を最初「?顔」としていたのを、「ハテナ顔」に修正しました。
タイトル文の方を修正し、本文の方は元の表記を残しています。
(「?」は普通は音として読めないために、短歌で字数に数えられず、人によってはマナー違反と考えられるかもしれない――と読者の方からアドバイスをいただき、考慮の上、修正することにしました)
短歌4首【第2回カクヨム短歌コンテスト用】 久里 琳 @KRN4
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