怪異あるところに、ヒューマンドラマあり!

呪いや幽的な事件のエキスパート、異能者のアキラと覡のヒオがコンビを組んで数々の怪異に挑むオカルト連作短編集。

こういった怪異を祓う異能者の話だと、恐ろしい怪奇現象が起こるイメージがありますけど、本作では怪異よりもむしろ人間の方が怖いかもしれません。
誰かに呪いを掛けたれた人には、呪われるだけの理由があり、幽霊に祟られる人は怨みを買うようなことをしたから。
怪異はけっして理不尽に人を襲うのではなく、襲われる人間側の悪の部分がしっかり描かれていました。
本当に怖いのは人間とは、よく言ったものです。

しかし中には、人間も怪異も悪いものではなく、読んだ後に暖かい気持ちになる、優しい怪事件もあります。
怨むも祟られるも、誰かのことを思って行動する優しさも、全てはその人のもの。
たくさんの怪異とそれに関わった人達のヒューマンドラマを、見てあげてください。

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