自分に自信を持てない小六女子の前に現れたのは、子供にしか見えない狼!?

主人公の文月(ふづき)は、3歳年下の妹と自分を比べて、何事にも自信を持てない小学6年生。
だがある日、引っ込み思案の文月の前に、真っ白い大きな狼が姿を現した!
この狼は、とある理由で善行を積むのが目的だと言う。
「もふもふさん」と名付けたしゃべる狼の力を借りて、文月は少しずつ花開いてゆく。

児童文学のように読みやすい本作。
大人には見えない「もふもふさん」の設定がなかなかおもしろい。
子供に見えるだけでなく、ある種の老人には勘付かれてしまったりもする。
また文月に乗り移ることも可能だが、乗り移っているときは文月の頭から狼の耳がのぞいてしまう。
でもこれも、大人たちには見えないらしい。

そんな不思議な存在の力を借りて、文月ちゃんが少しずつ成長してゆく様子が描かれる。
でも優しくて頼りになる「もふもふさん」の存在が何者なのか、読者にも完全に明かされているわけではないので、ちょっとドキドキしてしまう。

一生懸命がんばる文月ちゃんを応援したくなる物語。
ぜひ読んでみてください!