エンディング④「残暑」
夏休みが終わった。
無事、夏休みの宿題も終わり、いつもの日常が戻ってきた。
唯一違うのは翠との関係だった。
あの一夏の出来事が、彼女と碧の関係性を少し縮めていた。
「夏休みが終わっても、全然気温下がらないな。」
彼はそういうと、近くの自動販売機で麦茶を2本購入した。1本を彼女に渡した。感謝をすると、翠はニコニコしながらキャップを開ける。
彼が麦茶を飲んだ。喉仏が上下に動き、やがてそれが止まると、彼はペットボトルの口から唇を離した。
「来年の夏も一緒にいてくれるか?」
あの日の帰り際、彼にそう言われた。一緒にいたいというこの気持ちが、なんなのかはまだよくわかってない。ただ、彼のその言葉は嬉しかった。
「どうした?」
急に立ち止まった彼女に、翠は声をかけた。「なんでもない」と伝えると、彼は微笑みながら手を差し伸べてきた。彼女はその手を掴んだ。
いずれ離れ離れになるかもしれない幼馴染の2人。ただ今は1秒でも一緒にいたいと思う。大切なあなたのそばに。
終わり
シミュコイ〜幼馴染の二人に愛されちゃうシミュレーションブック〜 名瀬きわの @kiwano
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