エンディング③「守りたい」

翠と2人で帰って、自宅まであと半分ほどの距離になった。


すると急に、彼は立ち止まった。どうしたのかと尋ねたところ、彼はこう言った。


「もう、自分の心をごまかすのはやめるよ。」


真剣な眼差しで見つめられ、心臓の音が一気に加速した。


「好きだよ。ずっと前から。」


心拍数が急上昇し、同時に顔が熱くなるのがわかった。それは彼女だけでなく、翠も同じだった。


小さい頃、彼女を大きな音から守った時から、「ずっと彼女を守っていきたい」と思うようになった。最初は、それだけでよかったのに、次第に気持ちは膨れ上がっていった。


「最後の花火、覚えてるか?最初は小さなものから、だんだんと大きくなってったやつ。」


まるで自分が彼女に抱いてた恋心みたいだったと、彼は伝えた。それを聞いて、彼女も納得がいった。彼が他の人のところへ行ってしまうことを、すごく悲しく思った。これが恋心だったのだ。


笑顔で返事をすると、彼は嬉しそうに笑顔を向け、そのまま彼女を強く抱きしめた。恥ずかしそうに身じろぎをすると、「悪い」といって体を離した。


2人は見つめ合った。すると翠が少し恥ずかしそうに「キスしていいか?」と聞いてきた。彼女はコクリと頷き、そっと瞳を閉じた。


唇に生温かい感触がした。2人はその後も見つめ合い、一緒に笑った。




これからは幼馴染ではない。恋人として、一緒にいることを誓おう。大好きなあなたのそばで。



終わり



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