悍ましくも美しい、最凶の蠱惑の咒。

煌びやかな繁華街の夜に。ホストらしき
男の口から、何匹もの生きた百足が這い
出してくる。その衝撃的な事件の概要は
オカルティックな呪殺事件と噂される。

      蠱毒とは、最も毒性の強い
  呪法であるという。

事件の背後に『とある新興宗教』団体が
関わっているとの噂から、主人公は自らが歩んできた苦悩の半生を思い起こす。彼も
又、被害者でありサバイバーでもあった。
ライターとしての彼は運命に導かれる様に
事件と宗教団体との関係を探り、そこで
同じく家族を奪われた男と出会う。

  最凶の咒である蠱毒。
   それを恣にしている最悪の団体。

神田の古書漢方を扱う店での事件が、彼を
更に恐ろしい事態へと巻き込んでゆく。

そして、台湾へと。


確かな筆致によって、人の心の揺らぎや
苦悩、異国情緒溢れる風景が、まるで目の
前のことの様に展開してゆく、この作品。
一度、読み始めたら決して目を逸らす事は
叶わない。

  これも又、何かの咒なのであろうか。


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