恋焦がれるは黒の薔薇

綺麗な薔薇には棘がある。
しかし棘のない薔薇は、他の花となにが違う──

剣を握る彼女は、一国の王子の心を掴んで離さない。
"黒薔薇の剣姫"の異名を誇る黒のエルフ、ネイローザ。
成長を欠き、齢に合わない少女の見た目をした彼女は、まさに天上の美麗そのもの。

王子が触れようにも、彼女を構成するものそのどれもが試練の棘として返しの機能を果たしていく。
当然だ。棘に、刀身に、直に触れればどうなるか、想像ができないのなら目がくらんでいる。

でも、だからこそ。惹かれてしまうのだろう……

合理主義の国王を嫌う王子が、自分に剣を教える女性に恋した物語。
恋は盲目。目が見えずに棘に近寄るのは危険です、王子。

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