エピローグ


 四角い箱は、天へ向かう。辿り着いた先には、どこまでも見果てぬ宇宙。


 そこに時間は流れていない。魂は消えない。

 すべてのものは溶け合って、混ざり合って、星の川床をゆっくりと巡り、旅をする。あの子は今、ようやく旅を終え、地上にぽとりと落とされて産声を上げた。燦々と煌めく太陽の下、宇宙の片隅でほんのひととき、眩しい光を放って消える。

 そしてまた、天に昇る。

 

 ――穏やかな波の中で生まれた私たちは、星の旅人。いつかまた、あなたに会えるその日まで。私は旅を続けるよ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

星の旅人 朱宮あめ @Ran-U

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ