〝覚醒〟から始まる──記憶と存在意義の探求。現実✕幻想が生み出す物語

それは近未来の世界──主人公は「覚醒」を経験する。
失われた記憶──そして手に入れた新たな力、自分自身の存在意義や世界の真実を探求してゆく──
主人公が目覚めるところから物語は始まり、新たな能力に目覚める過程で、読み手は主人公の過去を知り、世界の謎へと引き込まれてしまいます。
物語は記憶喪失や自己探求といったテーマを中心に展開されており、主人公が自分自身を再発見する旅が描かれます。
この旅が主人公の内面における葛藤や成長を深く掘り下げており、読み手は共感を覚えるに併せて、きっと主人公が覚えている感情の起伏すらも体験する筈です。
物語の世界構築と言うべき設定も緻密で、未来の技術や社会の描写が非常にリアルです。
物語の要素としてはサイエンスフィクション性が強く、それにファンタジー的な要素が上手く取り入れられています。
その結果として現実と幻想が絶妙に融合した世界が広がっています。
描かれるアクションシーンや謎解きの要素が、物語の緊張感と興奮をより一層高めていると言えます。
また、キャラクターの描写も秀逸で、主人公だけでなく、主人公を取り巻く仲間たちや敵対者たちも立体的に描かれているように感じられました。
登場人物たちのバックストーリーや動機までもがしっかりと描かれてます。
そんなキャラクターたちと主人公が築く関係性は、物語の進行と併せて変化してゆく様は感慨深いです。
この物語はサイエンスフィクションとファンタジーが好きな方には特にオススメします。