きっと、誰もが一度は思ったことだからこそ。

悪いコになってみたいまじめ先輩のお誘いから始まる、いちゃいちゃ甘々な日々。
とてもすっきりとした読後感が良かったです。

先輩が『悪いコ』を意識するようになったきっかけは、「体育で怪我をして保健室に連れて行かれて、そのまま授業をお休みしたこと」。
これ、けっこう皆さんも経験があるんじゃないでしょうか。
ちょっぴり学校へ行くのがいやになって、お腹痛いって言ったら休めちゃって。お母さんも買い物に出かけてしまった家の中で一人、ぼうっとテレビを見ている時の罪悪感。
『真面目なコ』でいなきゃいけないのに、そこから外れた背徳感。


随所にこうした「わかる~!」が差し込まれることで、先輩との非日常感がより深まって感じられます。
きっと誰もが一度は思ったことだからこそ、その蜜の味に期待が膨らむんですね。
前述のきっかけを打ち明けられたエピソードでも、その直後にお耳のマッサージをしてもらえるのですが、もう頭の中では「くぅっ、『真面目なコ』でいなきゃならないのに……っ! ああっ、耳がっ! ダメ、負けな……ああっ!」とぐっちゃぐちゃでした。

感情の揺さぶり方がすごく上手だなと感服していましたら、どうやら作者様は、前回のコンテストにて特別審査員賞を受賞されていたということで……でしょうねとwww
堪能させていただきました。ありがとうございます。ご馳走様でした!