心を繋ぐプレリュード。二人の未来に万雷の拍手を。

楽器、それもチェロということで、なかなか渋いチョイスだなあ!とわくわくしながら拝読しました。
しかし決して堅苦しくはなく、説明も丁寧でわかりやすかったです。
実際に音が聴こえてくるような、優しいお話でした。

手取り足取りとはよく言ったもので。
チェロという大きな楽器を抱えて、そこに歌織ちゃんが重なって教えるという体勢は、ASMR的にも映えるなあとニヤニヤしました。
またスカートが上がってしまうことなど、軽妙なあるあるネタを織り交ぜたアクセントも良かったです。

音色を通じて想いを交わし、文化祭での演奏も成功。新入生が集まって部としてもスタートを切る……と、ドラマ性も魅力。
聴衆のこちらとしては大満足ですが、二人の関係性はまだまだプリモ・パッソを踏み出したばかり。
クラシックの音源を流しながら、コーヒーで一息をつきつつ、これから二人が重ねていく人生の楽章に想いを馳せたくなるような……爽やかな読後感でした。
素敵な青春の追体験を、ありがとうございます!