様々な思惑と冬を描いた恋愛小説

冬、煙草の煙のようにくゆる青春を綴ったような作品だと思いました。
終わりが最初に示されているからこそ、過程がより綺麗なものとして描かれます。
どこか大人に憧れ、達観したような性格の陸。ドジで距離感が近く、明るい未紗。
新歓の場、二人の心の内が一致する出会いから本作は始まり。
初対面の頃からお互いに素を見せられる、二人の関係性がとっても魅力的に映ります。
第七話からはやや不穏な雰囲気が漂い始め、展開としても面白いです。
また描写は小説としてはやや特殊で、しかし読みやすいように工夫が為されているところも良かったです。今後の展開が楽しみですね。