誰もが習ったであろう平家物語に登場する猛将、平教経の、続きの物語──。

合戦で一度の不覚も取ったことはなく、王城一の強弓精兵と言われる平家随一の猛将、そして源義経の好敵手として有名な平教経の、最後の戦──。
──の、続きの物語です。

戦闘描写といい目覚めといい、導入がとにかく素晴らしいです。
続く話でも教経の男気、思い切りの良さ、強さ、そして少し抜けたところなどがしっかりと描写されており、キャラクターの魅力を余すことなく表現しています。
特に、敵を前にした第三話の「推して参る」という口上がめちゃくちゃかっこいいです……! その後に続く戦闘も圧巻の一言。

構成も素晴らしく、常に何かしら興味を持たせる展開が先に置いてあります。
しかも、個々の謎が素早く回収されるため、Web小説にありがちな、伏線を引っ張りすぎて回収する頃には忘れかけている……なんてことになりません。また、話が進んでいけばいくほどキャラクターに入り込め、アリシアや義経にも好感情が湧いてきます。

今、一番熱いのはやはり十八・十九話でしょうか。続く話が期待できます。

全体的に、平家物語に興味がなくとも楽しめる物語だと感じました。