概要
小説はどこへ向かうのか。
「小説とはなにか」という問いを、「正しさ」という観点から掘り下げる。作りごとである小説はなぜ人の心を打つのか、小説の「正しさ」はどこから生まれ、どこへ向かうのか。小説を読む人・書く人に一度は読んでほしい評論。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!物語の普遍性と時代の判断基準
久々にまっとうすぎる文学論を読んだ気がする。
西洋と日本の文学の違いは、日本の文学は恋愛について書かれた物語がはじまりと考えることができる。
源氏物語。
時代によって、人の恋愛の考えかたは変わる。
小説はリアルな現実の模倣と考える人もいるかもしれない。
しかし、現実と真実は微妙にズレている。
真実は人が心や想像力で現実とらえ直したものであり、単純な模倣ではない。
最初の読者とは作者自身である、というロラン・バルドの至言がある。
人は読んだことがあることしか書けないといえるが、書くために必要なことは実際の体験ではなく、読むように書くこと、あるいは、書くように読むことだといえるだろう。
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