あとがき

 この物語をここまでお読みくださいましてありがとうございます。

 今年もKAC参加作品については別に「あとがき集」を作成するつもりでしたが、「茶色の眼鏡の男」だけはあとがきを書いて、いろいろ弁明することにしました。


 もともと、第8回のお題の作品の締切は3月28日12時だと思っていたので、27日の夜に書こうと計画していたところ、27日12時が締切だったので、構想を練る余裕もなく着手したのがこの物語でした。

 そのときは、第1話の最後に、いまの第5~6話に出て来る珠枝の眼鏡の物語が続くことにしていました。

 さすがにそれは唐突すぎると思って、その部分の物語をふくらませたのですが、私が最初に考えていた以上に話が百合っぽくなってしまって、長くなって、「茶色の眼鏡の男」というタイトルからはどんどんずれて行ってしまいましたね。

 ちなみに、「茶色の眼鏡の男」というタイトルはアガサ・クリスティーの小説『茶色の服の男』のもじりなのですが、内容はまったく関係ありません。深く考えることなく急いでつけたタイトルなので、そうなりました。


 ところで、この物語は完全にフィクションですが、粗悪物件とか、言いくるめて契約させようとする仲介業者さんとかは実在します。

 まあ、どの家にもどの部屋にも何かしらの欠点はあるもので、それにまったく言及せずに「いいところ」ばっかり並べ立てて契約に持って行こうとされたばあいには要注意、ということですね。

 私がいま(東京都内で)住んでいる賃貸住宅は、「ここはいかにもダメだろう、でもいちおう見てみようか」と思って入った不動産屋さんに紹介してもらったところです。

 何がダメって、客が一人もおらず、店主がぽつんと座って居眠りしてるような店だったのですから。

 そういう店に紹介してもらったいまの住居は、たしかに築年数は古い、したがってICT設備はよくない、携帯の電波の入りも悪い、という場所です。とくにネット接続状況の悪さは解決せず、「コロナ禍」のときには家でリモートワークができずに困りました。いまも困っています。

 でも、それを除けば、よい住まいです。

 この家の内見のとき、その不動産屋さんは、よくないところはよくないとはっきりと言ってくれました。

 その経験もこの物語を書くときに思い出していました。


 「眼鏡」(お題「めがね」)の物語なんですが、「住宅の内見」のほうが主になってしまった感はあります。

 というわけで。

 私のKAC2024参加作品は、これをもってすべて完結済ということになります。

 お読みくださいましてありがとうございました。

 また、KAC2024に「カク」で参加された方も「ヨム」で参加された方もお疲れ様でした。

 KAC2024に積極的に参加された方も、参加されなかった方も、今後ともよろしくお願い申し上げます。


 2024年3月31日

 清瀬 六朗

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茶色の眼鏡の男 清瀬 六朗 @r_kiyose

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