合せ鏡の中に閉ざされた蛇その不連続な記憶

ある日、突然に。懐かしい人に会う。
それは古い記憶を呼び起こすトリガーでも
あったのだろうか。
 それ以来、何か身辺がおかしい。
記憶が曖昧に改竄されている?そもそもが
自分という人間とは一体、何者なのか。
   普段の生活にすら異変は忍び寄る。
確かに、噛まれたのを見たが。
 あれは多分、青大将だったのだろう。
      蛙の事を考えている。
そう、蛙だ。
 しかし、何故?
茫洋としていて揺蕩う様な心持ちになる。
  卵ではダメだ。
     蛙が重要なのだから。
       でも、それは何故だ?
          自分は一体………。

鏡の奥から自分を見つめる。

   それは幾つもの合せ鏡の様に連続し
 皆、こっちを凝っと見つめている。

         それは。

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