伝説の鳥を探して
わたくし
何処かに住むという……
冒険者のオレは『伝説の鳥』を探し求めている。
その鳥の存在は、世界中に伝説として残されていた。
東の大陸では朱雀・鳳凰・不死鳥、西の大陸ではフェニックス・ファイヤーバード・ベンヌと呼ばれている。
人語を解し、人と意思疎通ができる
空よりも高く飛び、星の向こう側へも行ける
定期的に自分自身を焼き、永遠に生きている
その鳥の生き血を飲んだ人は、不老不死になる
この世界の生きとし生ける物への観察者であり、守護者でもある
と記してあった。
オレが『伝説の鳥』を探す理由は「不老不死」が目的では無い。
永遠の生命で神をも超えた存在に「我々が生きる意味」を問うてみたかったのだ。
オレは世界中から『伝説の鳥』の資料を集めて分析をした。
その結果今は、ある火山に『伝説の鳥』が生息している可能性があると分かった。
『ティーズゥカァ火山』地元の伝説では、
【『伝説の鳥』は五百年毎にこの山に訪れて火口に身を投げて自身を焼き五十年後に復活してまた五百年生きる】
と謂われていた。
地元の暦では、今年が五百年目になるそうだ。
オレは取る物も取り敢えずその火山へ向かった。
『ティーズゥカァ火山』に到着したオレは、取り敢えず地元の長老に会った。
「『伝説の鳥』は、まだ来ていませんか?」
「残念だなぁ~、先月頭に火口へ入っていったよぉ~」
「少ぉ~し前までそれを記念してぇ~、お祭りをしておっただぁ~」
「すると、次に『伝説の鳥』が現われるのは?」
「うんだぁ~、五十年後だなぁ~」
「言い伝えではぁ~、五十年後に火口から火の玉が飛び出すてぇ~」
「そんれがぁ~、だんだんと鳥の形になるんだっぺぇ~」
「だんからぁ~、次は五十年後に来ると良かっぺぇ~」
「ありがとうございます」
オレは長老に礼を言って、『ティーズゥカァ火山』から離れた。
帰路の途中でオレは独り呟く、
(さぁ、皆さんご一緒に!)
「
伝説の鳥を探して わたくし @watakushi-bun
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます