第4話 山、山?、ほんとに山?

「よし、近くまで着いたね、早速メモっと」


山の麓はそこまで緑が多いってわけじゃないみたい、不自然に山だけが緑に覆われている、これも放射線に関係があるのだろうか


「クエェ〜」


「そうだね、お疲れ様、ジョーくん」


「ミュイ、ミューン?」


「そうだね、別に休んでても良いけど、来る?」


「クエッ」


「わかった、じゃあ、一緒に行こう」


山を一人と二匹と一個?、一匹?、が登り始めた


「それにしてもこの山、本当に大きいね〜」


普通に頂上まで二時間ぐらいかかるんじゃないかな?


「ミュ、ミュイ〜、ミュリュ」


鹿が大きくなり、ミュイちゃんを背中に乗せる


「もう疲れたの?、まだ四分の一も登ってないよ?」


あ~、山岳熊さん呼べばよかったな、僕も疲れてきたし


「とりあえずここでご飯にしよう」


「クエッ」


「ミュイ」


「まずはミュイチャンから、ちょっと前に削っておいた木の皮」


「ミュイ〜、ミュ」


「いらないの?、じゃあこっちは?、山岳熊さんのいた洞窟の青白い草」


なんかきれいなだから持ってきたけど食べるかな?


「ミュイッ、ミュ〜ン」


「よしよし、これは食べれると」


どうやら兎鹿は青白いものに関係があるらしい、あの鹿を作ったのも青白い岩からだったし、放射線の濃度が高いとかかな?


「クエ〜、クエッ」


「はいはい、忘れてた、ごめんね〜」


あれ、そういえばカジキってトビウオ食べたような気がするけど、そこら辺どうなってるんだろ、とりあえず川の魚にしよう


「これも洞窟で取った魚さん〜」


「クエッ!?、クエッ」


「よかった~、よし、休憩できたし、一気に頂上まで行くよ」


「ミュイ?」


「ん、僕のご飯?、良いって、別に、音蛇さんの原理の要領でやれば一週間は何も食べなくても大丈夫だし」


それに体力は回復できたから大丈夫だと思う


「クエッ?」


「乗っていいの?、じゃあ遠慮なく、ほら、おいで」


「ミュイ、ミュリュ」


鹿も小さくなって着いてくる


「よろしくね、ジョーくん、頂上まで、しゅっぱーつ」


「キュィィィィィッ」


ジェット機のように変化し、飛ぶ


「やっぱり早いや、この調子ならすぐ着くね」


「ミュイ?、ミューイ」


「あれは、湖?、水だ!!、しかもものすごく綺麗な水!!」


どうしよう、水は飲みたいけど頂上にも行きたい、どうしよう


「クエッ?」


「え!?、もう着いたの?」


「クエッ、クーエッ」


「ミュイッ」


「早いね〜ここが頂上か〜、いい景色〜」


崖からあたりを見渡す、そして崖の下を覗き込む


「え?」


底にあったのは巨大な亀の頭だった


「ええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇッ!?!?!」


とても大きな頭が動き、目が合う


「え、っと、お邪魔してま〜す?」


音蛇に見つめられたときより怖いんだけど


「ミュ、ミュ〜イ」


「.............」


亀は動かない


「クエ」


「.......何のようだ?」


「え!?、喋れるの?」


「ワシは元々頭が良かったのと飼い主が日本人だったからの、なんとなく意味はもとから理解していたのじゃ、進化して話せるようにもなった」


「ミューイ?」


「クエッ?」


「ほれ、こやつらも、経験が浅いようじゃが、意味を理解しておる」


「へぇ~、メモメモ」


放射線の影響でIQが上がったりすることもある、と


「クエ〜」


「ミュイ」


「どういうこと?、ここは気分が良くなる?」


「ワシの影響じゃろうな、ワシは体から放射線を出しておる、それが体にとって良い状況なのじゃろう、人間に例えると真夏のクーラーといったところじゃろう」


この亀さん例え上手だな〜


「で?、何のようだ?」


「あ、忘れてました、あの、ここに住ませてください」


「クエッ、クーエッ」


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終末世界だけど今日も平和で穏やかにのんびり生活 「終末スロラ」 みーみー @24345898

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