二度と未来には戻れない。片道切符のバックトゥーザフューチャー。

タイムスリップものです。

この手のジャンルで過去に遡るお話は良くも悪くも、現在を主人公の都合の良いように改変することを目的にタイムスリップしたりするわけですが、この作品はそこの目的がちょっと違う。

でもこの作品の主人公の『現在』って不幸の塊みたいな人生なんですね。
タイムスリップできるなら、そこを変えたいと願ってもおかしくないんですが、そうはしない。

主人公は結末を変えることは望まないんです。
自分の今の不幸なあり方を肯定しているけれど、それでもなお、たった一つだけ、もう一度だけ、過去にもどってしたいことがあった。

それは大それたことじゃありません。
極個人的なことです。
世間一般ではニュースにすらならない。ほんとに些細なこと。
でも彼にとっては何よりも大切なものなんです。

そんな一途な思いが片道切符の特攻タイムトラベルに挑ませます。
二度と現在には戻れません。
もう一度だけ彼が望んだことをするためだけの、最後の旅です。

だけど、その想いが簡単に遂げられるわけもなく、予想外の障害が次々に立ちはだかるわけですが。
過去の世界で出合った〝相棒〟をときに、上手く言いくるめ、ときにおだて、時に脅して、二人で協力してゴールを目指してがんばります。

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