通信のイラスト講座に資料請求をした高校時代

夏伐

夢っておいしいね!!!

 高校時代、バカ専門学校にAO入試合格を決めた私は某有名通信講座のイラスト講座に資料請求をしていた。


 絵がうまくなりたい。昔は自分の絵が謎にうまく見える『天才期』だった。

 創作活動をしていれば罹患するか、もしくは患者を見る事があるだろうアレである。今もそうではあるものの、ザ・中学生のようなイラストがなぜか神絵に見える現象は少なくなった。


 ていうかそんな謎に自信がなければ絵の専門学校なんていかない。自分に才能があると思ってるやつがいくもんだし。

 そこでベキベキに自信をへし折られなければ今の私はなかったかもしれないが、どうせ同じ金額を背負うのならもっとマシな学校があったろうというのが正直なところだ。

 せめて学校を名乗れる場所とかね。


 後悔はおいておいて、届いた資料を見た私は思っていたテイストではないということで興味関心がなくなってしまった。


 そしてしばらく後、ついに親御さま宛てに明らかに公式っぽくないお手紙が届いたのだ。


 内容は今もざっくり覚えている。

 私は親御さま宛ての手紙を、すぐに自分で読んだ。


 すると中には『子供の夢を応援しない親』『子供のやりたいことを応援できない親』などなど私の「絵がうまくなりたい」という目標を出汁に親を批判しまくっていたのだ。


 当時の自分でも親世代の絵柄のイラストで「何か違うな」と思ったのであり、お手本のイラスト自体はうまかった。


 大の大人が自分の親を批判しまくる直筆の超長文お手紙を書いている姿を想像し、そのきっかけになってしまった自分の安易な行動に今も本当にあの頃の自分はバカだったと思う。


 ただ、こういうのを習いたいと思うやつはほぼカモであることには変わりないので、逃したくなかったのだろう。

 結局、別の場所でカモネギになっていたし。


 当時も今も思い出しては笑ってしまうが、手紙の内容をあまり覚えていないのに親が批判された事だけを強烈に覚えている。

 バカな自分のせいで知らない大人に、資料請求に関係してない親が罵倒されるという出来事はショックだったのかもしれない。


 今も資格取得だとか、興味関心があることを習ってみようかと赤いチラシを手を伸ばすたびに、あの手紙を思い出す。

 そして私にはYouTubeがあると、思い返すのだ。


 ※お気持ちレシートとは、レシートのように長い自らのお気持ちを表明した文章である。大体スクショされネットに晒される。

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