いずれは自分の子くらいになろうか

 キツい。
 それらが実際に体験したかのような、でもたまさか自分がそうであるだけでほかのひとも案外共感できるフレンドリーなキツさなのか判断に迷うのです。

 たとえば身内で真実そうなったひとがいる方なら、本当に吐くくらいの現実感、立体感、肉迫する「あの日」の追体験があり、後半、操作されているかのような、憑依状態なのかと思える完全な世界観に引き込まれるはず。
 
 本当にね、追いついちゃうし追い越しちゃう。
 何でだったのかなぁ。何もかも、分からない。
 時間が解決する時はきっと、自分が死ぬときだろうなぁ。

 ——この世界。
 
 作者さんが少しでもこの作品を世に送ったことで心のしこりが楽になれば、よかったですね、遠慮しなくてよかったんですよね、とかなんとか飲みながらひと言だけ、いいたい。