罪を踏み潰すバッファローと男への罰。


 近所に「全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れが来る」らしい。
 価値観の違いで伴侶を殺してしまった男は、自分の犯した罪を彼らにもみ消してもらうことを考える。
 さて、彼の願いは成就するのか。



 どう見てもぶっ飛んだ設定のはずが、田舎の閉鎖的な環境が関係するものもあってか、「因習村」的な和風ホラーとして読める本作。
 自身の欲望のために、伴侶だった人を残酷に処理する。そういった心理描写や人間臭さも描かれていました。
 ちゃんと伏線も張られていて、読了した際には驚きも。

 独特な書き出しと全破壊バッファローを上手く扱った作品でした。