第6.5話 白川芽衣SS 〜寝起きドッキリってだいたいヤラセだよね?〜

side白川 芽衣


今日からやっとカイ君に会える!

会えなかった分たーくさん甘えるんだぁー…えへへ


でもまずはカイ君を起こしてあげないとね?

私は少しだけ早く家を出てカイ君の家の前に来ていた。


カイ君に"内緒で作った合鍵"を使って扉を開ける。


「おはようございまーす……寝てるよね?」


さながら、ドッキリ番組の寝起きドッキリの仕掛け人バリに慎重に部屋に入る。


ゆっくりと中に入っていき部屋の中を確認してみた。


だけど人の気配がないため不思議と思ったので立ち上がってべッドに近づく。


「あれ?…カイ君いない」


もしかしてもう家を出たのかな?

学校行くには少し早い時間だし、いつものカイ君なら二度寝してると思ったのに…


あーあ、せっかくメイド服で起こしてあげたかったのにー…

カイ君が隠してるエッチな本はメイド服を着てる女の子がたくさん出てくるものだった。


私も読んでみたけど…

すごく…すっごくエッチだった!

えっとお胸を使って…カイ君のを……したり?


まだエッチなことは恥ずかしいからカイ君の上に乗って起こして上げて…


私のメイド服姿を見て我慢が出来なくなってカイ君が私を押し倒して…

そしてカイ君は私の耳元で囁くの…


「躾のなってないメイドだな…これはお仕置きかな」


きゃぁ~…どうしよう…すごくドキドキするっ!


私はカイ君のベッドを見る。

少しくらいなら良いよね?


私は思いっきりベッドに飛び込んだ。

顔を枕に押し付けて鼻から息を吸い込む。


はぁ…はぁ、カイ君の匂いだぁ~

えへへ…凄い…カイ君にぎゅっとされてるみたいぃ


毛布を抱きしめてベッドの上でゴロゴロしてみる。

すきぃ!すきすき…だいすきぃ!!しゅきぃ!カイくんだいしゅきぃ!!


しばらくそうしているうちにスマホに通知が入る。


「ハッ!……少し天国に行ってたかも」


私はベッドから起き上がると乱れたシーツや毛布を整える。


スマホを開くとカイ君からメッセージが送られてきた。


『病院行ってから学校向かうから今日は先に行っててくれ』


病院?

どうしたんだろう…

私は取り敢えず返信をして学校に向かうために部屋を出た。


**************


私は教室の入ると美琴ちゃんが視界に入ったので挨拶をした。


「美琴ちゃん!おはようー!」


「あっ…おはよう芽衣…」


今日は元気ないのかな?

それに目も合わせてくれないような気がする…


「美琴ちゃんもしかして元気ない?」


「えっ!?…元気よっ?…それより…今日は"海斗"と一緒に来ていないのね」


「うん!今日は病院に行ってから来るみたいだよ」


あれ?

美琴ちゃん…カイ君のこと海斗って呼んでたっけ?

何だか少し違和感がする…

気になったので聞いてみようとしたら少し教室がざわざわしてきた。


後を振り向くと、どうやら1年の女の子がこの教室に用があるらしい。

なんだろう?


真っ先に山下くんがその女の子に声をかける。


「どうしたんだー?誰か探してる?」


「はい!ここに"橘 海斗先輩はいますか?このクラスにいるって聞いてたんですけど…」


え?どうしてカイ君の名前が?

なんでこんな可愛い子がカイ君探してるの??


「あぁ、海斗か!そういえばまだ来てないな…もしかして徹夜でゲームでもして寝坊してるんじゃないか?」


山下くんの話を聞いてその女の子は花が咲いたように微笑んだ。


「まったく…しょうがない先輩ですねぇ…ふふっこれは罰ゲーム追加ですっ」


どういうことかな…これは……


私がいない間に何があったの?

この子は絶対カイ君と何かあったに違いない…

それに美琴ちゃんも怪しい。

海斗って呼び捨てで呼んだことを問い詰めなくちゃ…


そういえば…

占いのお婆さんが後、四人の女の子と出合うって言ってたけど…もしかしてこれのことっ!?


じゃあ後二人は誰なの!?


うぅ……カイ君の浮気者ぉ~!


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る