【初恋の女の子と再会してから何故か学校のアイドル達が迫ってきますっ!】〜エロゲーヒロインは愛されたいっ!〜

Re:未定ション

第一章 白川芽衣は愛されたい

第1話 その出会いは偶然か、必然か

俺が通う園咲高校には4人のアイドル的存在がいる。

彼女達はとても特質した容姿をしていて、誰もが認める美少女である。


そんな高嶺の花が自分に甘えてきたらみんなはどう思う?

一つは純粋に嬉しい気持ちになる。


もう一つはただただ戸惑うことになるだろう…

俺は後者の状態に陥っている。


何故なら、高嶺の花の1人である学園のアイドル『白川芽衣』が背中に体を乗せて、俺の首に抱きついて甘えているからだ…


「カイ君っ!…今日の放課後一緒に遊びに行こうよ」


「遊ぶったってどこ行くんだよ? 近くにはカラオケやゲーセンくらいしかねぇぞ?」


「最近隣の駅に美味しいパンケーキを出すカフェができたんだってぇ…カップル割もあるからカイ君も行こうよ〜」


そんなぎゅうぎゅうおっぱい押し付けないでくれませんかね?

こっちは色々我慢してるのに、そんな無防備な顔を俺に向けるなっ!!

だから俺は照れ隠しでつい、素直になれないのだ。


「わーったよ!わかったから降りろ、重いんだよっ」


「ふんぬっ!ふんっ!ふんっ! 乙女に向かって重いとはなんだぁ!重いとはぁっ!」


「んごぉっ、い"っ…悪かったっ!悪かったから、的確に俺の首にチョップをいれんじゃねえ!」


「なら、行くの?行かないの? それとも…カイ君は私と一緒にいるのは嫌っ?」


ぐっ…そんな捨て猫みたいな顔しないでくれよ…

正直白川と一緒にいられて嬉しいに決まってるだろ!


「なぁ、白川…俺はお前と一緒にいれて嫌と思ったことなんてないぞっ?むしろ俺は…」


くそっ…いざ言葉にすると恥ずかしいなっ……


「俺は? ねぇ、続き言ってよ…カイ君」


こいつ、わかっててニヤニヤしてやがるな?

俺は勢いに任せることにした。


「だから、俺は白川(といるの)が好きだって言ってんのっ!」


「へっ…? あっ…うぅ……カイ君のバカっ」

白川は何故だか顔を真っ赤に染めて、教室から走り去ってしまった。


ん…? 俺今なんか言ったか??



あっ…というかアイツ、今日パンケーキ食いに行くって言ってたのに。


とりあえず逃げる先はいつもと変わらないだろうから、俺は白川を追いかけるために教室を出た。


そう何故学園のアイドルの白川とこんな関係になったかは1ヶ月前に遡る。


______________________________________________________________


夏の夜といえば、うるさい蝉の合唱だろう。

こんな住宅街でも生きていけるのだから思ったよりも蝉の生命力は強いらしい。


そんなうるさい蝉の歌を聞きながら、俺はバイト帰りの夜道を淡々と歩く。


そういえば近くに公園があったはずだ。

昔、俺はこの街に住んでいたことがあり父親の転勤で外国に引っ越しすることになってしまった。

当時遊んでいた友達も今では顔も思い出せないくらい昔のことだが楽しい記憶であること間違いなかった。


小さな思い出を懐かしみ俺は少し公園に寄ってみることにした。


昔は大きいと思っていたすべり台も、砂場も今ではとても小さく感じる。

俺が成長したからだろうけど時間の流れを実感して少し寂しくもある。


そういえば、ブランコで遊んで良く転んだっけ…

その時にいつも『アイツ』と遊んだ記憶があったはずなんだけど、全く思い出せない。



「________________________っ…」



女の子の泣き声…か?


夜に聞こえるってことは幽霊だろうか…

あいにく今日は御守も持ってきてはいないし、現実的にありえないと否定したい所だが、目の前でブランコに座る女の子がいれば幽霊って考えはすぐに吹き飛ぶことだろう。

だから俺は声をかけてみることにした。


「おい、どうかしたのか? 迷子とか…?」


「…っ……っ…へっ?」


女の子は俯いてた顔をあげて戸惑ったような声をあげた。


「大丈夫か?……って白川?」


「"カイ"君? やった会えたっ…!」


そう呟いてすぐに白川は俺に抱きついた瞬間、気を失ってしまった。


腕の中で眠っている美少女の感触に戸惑うところではあるが…

とういうか俺はカイじゃなくて、海斗(カイト)って名前だから別人だとおもうんだけど…


_____ひとまずどうしよう…これ


俺は白川をおんぶして、一旦借りてるアパートに連れて行くとこにした。


「白川っ…すまんっ!」


可愛い女の子の感触と匂いが俺の理性を揺るがしている。

おんぶしているのだから、おしりに手が触れてしまうのは仕方がないことだろう…

やべぇ…白川めっちゃ良い匂いするっ…

所々柔らかいし、女の子ってみんなこうなのか?


興奮を理性で押さえつけて何とか部屋に運び込んで白川を俺のベッドに寝かせた。

それにしても…こんな無防備でいいのかよ?

普通に心配になるぞ…? 


すると、突然お腹の音が鳴った。

そういえば、バイト前の昼からご飯を食べてないな…


よし、一旦…白川のことは置いておこう。

起きたら、そん時に話を聞けば良いよな!


バイトの疲労もあるため今から料理するのはめんどくさい。

すると今日は棚にしまってある禁断の味に手を出すか…


そう…夜のカップ麺である!

それも! 蒙古タンメン中本っ!!


本物自体まだ食べたことがないが、いつかは食べに行きたいものだ…


トッピングはどうしようか

コンビニで買ったにんにくと背脂が醤油味で味付けされたビン詰と粉チーズにバターもあるな…


俺は電子ケトルに水を入れて、スイッチを入れた。


その間に、冷蔵庫から青ネギを取り出し、小さく切る。

鍋に水を入れ、ガスコンロの火を付ける。

スーパーで買ったもやしとキャベツの入った袋を開け、鍋に入れてゆでる。

今日は二郎系アレンジに決めた。

明日は幸い土曜日だ。

休みならにんにくを入れても影響は少ない…

にんにくは入れれば入れるほど旨さを増す最強の食材である。


電子ケトルから音がなり、沸騰したお湯をカップ麺に注ぎ込み、特性のタレの袋を蓋の上で温める。


すぐさま俺は移動して、野菜の準備に取り掛かる。

お湯からあげて、ザルで湯切り。

チャーシューは無いからサラダチキンで代用…


5分が経ち、俺はカップ麺の蓋を開けて、タレを入れてよく混ぜる。

その上に野菜、背油にんにく、サラダチキン、最後に刻んだ青ネギを乗せて仕上げに牡蠣醤油を野菜に回しかけたら完成だ…



時間はもう20時を回っており、俺の空腹は限界だった。

さぁ食べよう…この罪の味を堪能すべく箸を持てっ!


「んっ…あれ?……ここは?」


白川が匂いにつられて目覚めたようだ。


「ここは、俺が借りてるアパートの部屋だよ…公園で倒れたから運んできた。覚えてないか?」


白川は考え込むように顎に手を当てた。



「ごめんなさい…ご迷惑をおかけました…えっと、貴方は?」


まぁ、知らないよな…お互い面識なかったし。

それに俺は、1ヶ月前から引っ越してきたし余計に俺のことは知らないだろう。


「俺は橘 海斗。一応同じクラスだ」


「そうだったんですね…同じクラスなのにごめんなさい…」


凄く礼儀正しいな…流石学園のアイドル様

所作から全てが可愛い…


「気にすんな、困ってる時はお互い様だろ?今回はたまたま俺が白川を助けただけだ」


「ふふっ…ありがとう橘君、優しいんですね」


白川芽衣は美少女である。

それもただの美少女ではなく、100年に1人の逸材。

それ程までに顔は整っており、髪は絹のように滑らかで美しい。

その声は、聴くものに癒しを与えるほどの美声であり。

そのしなやかな美しい身体のラインは女としての魅力を引き出し、男たちの欲望を掻き立てる。


そんな美少女が俺だけに微笑んでお礼を言ってくれているのに、俺は白川に見惚れて動けずにいた…


「ん? 橘君?…大丈夫ですか?」



「あっ…あぁ、大丈夫だ……もう起きたんなら、白川の家まで送るよ、夜も遅いしな」


「では、途中までお願いしますっ!」


「了解っ!今準備するから待っててくれー」


外に出るために準備をしにいく。

財布と家の鍵をポケットにいれて、上着を着る。

ガスコンロの線が閉まってるかの確認をした時に、麺が伸び切ったカップ麺が机に置いてあることに気づいた。


あぁ、勿体ねぇ…けど…まぁ良いか

あの、白川と一時とはいえ夜に一緒に歩けるのだ。

一回のカップ麺に比べたら安いものだ。


「おまたせ…忘れ物は無いか?」


「大丈夫です…ありがとうございますっ……橘君」


俺は白川と一緒に扉から出て、鍵を締めた。


夜の住宅街を白川と歩く。

五分くらい沈黙が続き少し気まずい…

だから俺はずっと気にっていたことを聞くことにした。


「なぁ…白川……何で公園で泣いてたんだ?」


白川は気まずいのか苦笑いをしながら頬を人差し指でかいた。


「そうですよね…気に、なりますよね……」


白川は途中で顔を下に向けて黙ってしまった。


「言いたくないなら別に言わなくていいからな?…でも、少しでも白川の気が楽になるなら____俺は白川の力になりたいよ」


顔を上げた白川はなにか決意したように目線を俺に合わせた。


「橘君…ありがとうございます……誰にも言わないでくれますか?……実はっ」


白川はゆっくりとだが、話をしてくれた。

それは、昔の過ちを懺悔するかのようなそんな顔で。


「私は、昔から大切なお友達がいたんです…勇君と出会う前から凄く大切なお友達が…」


「そうなんだ…」


「でも、お友達が親の都合で海外に引っ越さないといけなくなりました。 その子が引っ越す日の朝に、私達はあの公園で会う約束をしたんです。 どうしても伝えたいことがありましたから…」


「うん」


「私は一生懸命手紙を書いて、約束の日に待ち合わせ場所の公園で待っていました……でも、その子はいつまで経っても全然来なくてっ…私はたくさん泣きました」


「うん」


「私は泣きながらその子の家に向うと、そこはもぬけの殻で私は多分初めて絶望というもの感じました。 あの子は約束を破ったっ!裏切ったんだって…でも、違いました。私の勘違いだったんです…」


「…うん」


「その子の家の扉に手紙が貼ってあって、そこにあの日の来なかった理由が書いてありました…私が待っていた日は間違いで、一日前が約束の日だったんです…私は勘違いをして大切な友達にお別れすらいえなくてっ…っ……でもっ……その子は私に恨みなんて無いって!…ただ私にありがとうって…っ……」


「そっか…」


「そう…っ…言って……くれたのにっ……私は手紙を最後まで読みました…っ……手紙の最後に10年後のまた同じ日の同じ時間にきっと会いに行くって約束が書いてあって…だから私は今日っ手紙を持って…っ……待っていたんです……っ…でも来なくて…"カイ"君もこんな気持ちだったのかなっ…っ…て」


俺は泣いている白川を見ていられなくて、つい抱きしめていた。


「っ…ぇっ、橘くんっ?……どうっ…して…?」


「ごめん…なんだか、こうしたくなったっ…嫌だったら離れるから…」


「っ…嫌じゃ…っ…無いですっ…」


俺は優しく白川を抱きしめる。

白川の話を聞いて何だか知っている話を聞いている気がしている。


まるで、自分自身がその話の登場人物みたいな…そんな既視感。

だからだろう、そんな懐かしい名前を思い出したのは。

俺の初恋で、大切な小さな思い出のあの子の名前。


「泣き止むまでこうしてるから…"めーちゃん"」


「へっ……?…っ…もしかして…"カイくん"なのっ!?」


「ごめん…全部思い出してないけど…」


すると先程の悲しい顔が嘘のように笑顔で咲き誇り、ギュッと先ほどよりも強く俺に抱きついてきた。


「っ…やっと会えたっ!…カイ君っ…カイ君っ…カイ君っ…!」


「ごめんな…遅くなって…俺も会いたかった」


「あのねっ!…ずっと…ずっとねっ?…っ…カイ君に言いたかったことがあるのっ!!……聞いてくれるっ……?」


白川は俺から離れて、何か決意をした顔を浮かべる。

拳は強く握られて、緊張しているのが伝わる。


「うん…聞くよ…10年も待たせたんだからさ」


「カイ君っ…!___________貴方が好きですっ!…ずっとずっと…っ……カイ君が好きっ!! 10年経ってもずっと好きだよ! だからっ…私をお嫁さんにしてくださいっ!」


それはとても狂おしい程に愛に満ちた告白だった。


夏の夜空は星が瞬くことはなく、月の優しい光だけが白川を照らす。

その姿は月の女神にも負けず劣らず美しい少女の秘めたる想いが俺に向けられた。


関わりが無いと思っていた1ヶ月前とは違う。

この出合いは偶然で片付けたくない。

この日のこの時間に、この公園に寄り道した俺の選択はきっと運命だったのだ。


だけど…俺はもう恋愛感情を抱いていない…

10年という月日は俺にとって長く、大切な約束すら忘れていた俺に、白川と付き合う資格はあるのだろうか…?

無責任で好きといって良いはずかない。

だから俺は、この子にとって望まない回答をすることになるだろう。



「ありがとう…白川……でも…ごめんなっ…俺は白川とは付き合えないよ」


「へっ?…えっ…? …っ…そん…っな」


涙が再びポロポロと瞳から零れ落ちる。

下唇を噛み締めてとても、苦しそうにしていた。


「ごめん…!! 無責任に好きって言いたくないんだ!!俺にとってめーちゃんは大切な存在だからっ!」


俺は強い意思を持って白川を見据える。


「だからっ! もう一度始めないかっ! 1から友達として!!……『カイ君』と『めーちゃん』じゃなくてっ!!……『白川 芽衣』と『橘 海斗』として、もう一度っ!!」



「そっか…振られたわけじゃないもんね…?」


「えっ…?」


「カイ君っ!!」


「うおっ…っておいっ…さっきの話聞いてたよなっ!?」


白川は俺に再び抱きついてきた。


「分かってるよっ!…要は橘海斗を私にメロメロにさせれば良いって事でしょ?…ふふっ……絶対振り向かせてみせるからっ!!……覚悟しててよねっ!!カイ君!!」


「お、おいやめろっ!! 首筋に吸い付くなっ!…えっ?マーキング?……やめろっ!お前は変態かっ!!」



この白川との出会いから俺は数々の修羅場に巻き込まれるのだが…


それを知る術は俺には無い



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僕の作品を読んでくれてありがとうございます!

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