番号のない戦闘人形少女は、人類救済の鍵となるか

人類滅亡の危機、地球と月に分かれた人類、自律型戦闘人形（オートボーグドール）……ライトノベル的なSFの面白さがギュッと濃縮された原液のような作品です。長編の一節のような重厚でありながらキレのある描写が読んでいて楽しかったです。登場する戦闘人形少女WLT-00xという１から12まである自律型戦闘人形WLTシリーズの13番目であり、そのプロトタイプという設定、ここに燃えない男の子はいないと思います。面白かったです。

　遠い未来の地球《テラ》では、自律型戦闘人形兵器《オートボーグドール》による代理戦争の果てに、人形たちが無力な人類を攻撃する最悪の状況に陥っていた。
　人類存亡の危機に、自律型戦闘人形兵器の開発者である主人公は、オリジナルにして最強の人形「00X《ノーナンバー》」の起動を決意する――。

　まるでハードアクションＳＦ映画の予告（ロングバージョン）を観ているかのような高揚感を味わえる作品。主人公と「00x」が、これから戦闘人形たちを相手取って胸の空くような戦いを見せてくれることを予感させてくれます。
　ふんだんに撒かれたルビがいずれもカッコ良く、少年の心を持った大きいお友達なら誰でも興奮するこ…続きを読む