第8話
大会が開かれ、二人は着々と勝ち進んでいった。
手を怪我したとはいえ、元々の実力が高いクロウには関係がなかった。
「多分彼らが今大会の優勝候補だね」
二人で観覧モニターを眺めながらクロウが感想を漏らす。
チーム『Wither』。彼らの実力は申し分なかった。個々の技術はもちろんのこと二人で協力する際にもきちんと連携が取れている。
ワニのように付き纏い、逃げようとしても離さない。戦う場所をうまく誘導し、一人を撃沈したらすぐ残りの一人を挟み撃ちにするというのが必勝パターンのようだ。分かっていても止められないのはマップに敵の位置が反映されないため。片方、または両方、耳の効くプレイヤーがいるのだろう。
「おそらく決勝で当たるのは彼らかな。心してかかった方がいいかもね」
クロウの言葉に恭弥は耳を傾けなかった。さっきからずっと画面を見続けている。クロウは無視されたことを気にすることなく、ただただ笑みを浮かべて画面に集中した。
そして、クロウの予想通り、決勝は『CoW』VS『Wither』となった。
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