第3話
「大変なことになったね」
翌日、恭弥は親友の綾人とゲームセンターに行った。二人はここのシューティングゲームでよく遊んでいる。ステージをクリアすれば無償で次のステージをプレイできるためコスパが良いのだ。難易度はかなり高いが、コツさえ掴めば簡単だ。要領のいい恭弥には相性がいい。
「まったくだ。どうしたものか」
全ステージをクリアし、銃を元あった場所にしまう。バイトで稼いだ金のほとんどが家計に消えていくため一回プレイで終了だ。綾人が別のゲームを始めるのを恭弥はソファーから眺める。
ふと奥にあったスクリーンへと目がいった。
そこには『eスポーツ全国大会開催』という文字が記載されていた。何気なく見ていた画面だが、次に浮かぶ文字に恭弥は目を剥いた。
「優勝賞金一千万」
「何見てるの?」
無我夢中でどこかを見ている恭弥が気になったのか綾人が彼の元へと駆け寄る。
「俺、eスポーツの大会に出ようと思う」
「どうしたの急に?」
「優勝賞金一千万だぜ」
「でも、相手はプロだよ。未経験の恭弥が勝てる相手じゃないよ」
「宝くじでの運任せよりはマシさ。ゲームでの実力の方が俺としては勝てる可能性が高い」
中学時代、学校で一番強いと謳われていた男子をたった二日でボコボコにした恭弥には未経験という言葉は無意味に等しかった。
「eスポーツの練習できる場所ってなかったか?」
「駅前にeスポーツカフェがあったと思うけど」
「よし、そこに行こうぜ」
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