第10話

「流石だね。私の目に狂いはなかった」


 帰り道。クロウは恭弥を称賛した。


「言ったろ。予選で躓くわけにはいかないって」

「そうだったね。ねえ、恭弥。本選が終わってもこのままチームを組まない? 君とならどこまでも行けそうな気がする。世界すらもね」

「ん……まあ、金が手に入るなら家計にも助かるからな。いいぜ。でも、それなら名前は変えようぜ」

「何に?」

「チーム『Asterios』。俺たちは弱くなんかない。誰の手にも負えない凶暴な牛。それが俺たちだ」

「はははっ。牛要素は残すのか。でも、悪くはないね」

「決まりだな」


 恭弥とクロウは歩きながら互いに拳を突きつけ合った。

 二人の優勝を祝福するように、夜空には綺麗な星(Asterios)が輝いていた。

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【短編】FPSゲーム『Vertex』 結城 刹那 @Saikyo-braster7

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