長閑な田舎の風景の中よく目にする『地蔵』だが、その由来について気にする者はそうはいない。只、拝む。無意識のうちに。 本作品は『地蔵』についての考察とそれについての注意喚起が淡々と語られて行く。読み進めるうちに、誰でも知っている『地蔵』が次第に『不穏なモノ』へと静かに変化してゆく、この過程がとても恐ろしい。何ら疑問に思わなかった既知の安堵がゆっくりと根底から覆される、その不安と恐怖が読む者を襲う。 そして、最後の一文。まさに本物の『怪談』である。
とにかく怖いです。語り手が自分に話しかけているような気がします。
やたら地蔵を拝んでいはいけないという伝承をモチーフにした怪談です。語りもよく、ラストまでぐいぐいと引き込まれます。だんだんと背筋がゾッとする良質なホラーです。ぜひ、お読みください!
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