作家の卵たちを見守るもうひとつの物語

本作の筆者、snowdropさんは毎年カクヨム甲子園の作品を読み、読んだ作品の感想をエッセイとして投稿されている方です。
カクヨム甲子園に限らず、他にも創作に役立つエッセイや、もちろん物語なども書かれている方なのですが、私は特にカクヨム甲子園関連でお世話になりました。

まだ創作活動を始めたばかりの頃、「カクヨム甲子園2022」に応募した作品に感想をいただいたときのことは今でも覚えています。
その作品は残念ながら最終選考で落選してしまいましたが、その後さらに的確なアドバイスをいただき、来年は受賞を目指して書こうと決意しました。
そして「カクヨム甲子園2023」ではいただいたアドバイスをもとに作品を書き、念願の大賞を受賞することができました。
他にもカクヨム甲子園だけでなく、「カクヨムコン8」の短編部門に応募した作品にもアドバイスをいただきました。

当時の私は作品を書き切ったというだけで満足してしまい、推敲が足りなかったのだと気づかされたのは、snowdropさんの感想あってのことです。
snowdropさんの指摘がなければ、「カクヨムコン8」も「カクヨム甲子園2023」も受賞することができなかったでしょう。
自分の作品を客観的に見たアドバイスや感想をいただくことは、創作を始めたばかりの高校生にとって大きな自信となります。

本作はそんなsnowdropさんが感想を書いていくなかでの「思い」の数々が綴られています。
数百作品もの作品の感想をひとりで書くことは決して容易なことではありません。
それにも関わらず、最後まで決して手を抜くことなく、それぞれの作品に真摯に向き合っていく姿勢には本当に敬服します。

来年、カクヨム甲子園に参加する高校生の皆さんだけでなく、大人の方々も。
作家の卵たちを見守るもうひとつの物語を覗いてみませんか?

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