主人公は江湖の奥義書を集めている悪党。
ある日、奥義書を盗んだ帰りにとある奇妙な道観に立ち寄ったが、そこにあったのは吊り下がった人形と、大量の死体だった。
序盤から本格武侠な雰囲気が漂う本作。
端正な筆致に誘われて読み進めていくと、臨場感のある戦闘シーンやミステリ要素に魅せられ、一気に読み終えてしまいました。
本格武侠でしか味わえない用語や設定もあって、とても読み応えがあります。
読後、「なるほど!」と思わず唸らせるようなタイトルにも注目です。
中華ファンタジーが好きな方や本格アクションが好きな方、もちろんそれ以外の方にもおすすめの作品です!
貴重な武術の奥義書を手に入れた晦師茗は、とある道観で一晩夜露をしのぐことにします。
しかし、その道観に人の気配はなく、なぜか人と見まがう人形が吊り下げられていて……
本作は、中国で人気の武侠世界を舞台にした短編小説です。
中国ならではのマニアックなワードが散りばめられているので、中華小説好きの人は、迷わずチェックしたい短編作品です!
とくに武侠小説に興味がある人は、スルー禁止レベルだと思う(笑)
武狭ならあってほしい状況やアイテムが、短い物語の中にしっかりと織り込まれています。
死体に見立てた人形のある道観なんて、なかなかホラーな場面から始まる物語なのですが、読むうちにこの不可思議な状況に晦師茗が陥ってしまった理由がわかっていきます。
その過程がミステリ小説を読んでるみたいで、めちゃくちゃワクワクしました!
中華小説が好きじゃなくても面白く読める、ストーリー性のある物語。
なので「中華風小説は難しそう」と犬猿しがちの人にも、ぜひ試しに読んでみてほしい☆
食わず嫌いだったかもしれませんよ!