STARTRIP⭐︎JAPAN

悠鬼よう子

旅の始まり

 太陽が海の彼方から優雅に昇り始め、新しい日と新たな旅の始まりだ。北海道の穏やかな海岸線に立ち、夏の爽やかな風を感じながら深呼吸をすると、今日から僕の「日本縦断の旅」が始まる。


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 夏の訪れと共に、函館の朝市での新鮮な海の幸の味わいから旅が始まる。朝陽に輝く露店の間を歩きながら、目覚める味覚の喜びに心躍る。特急「北斗」から「カムイ」へと乗り継ぎ、美瑛の花畑へ。夏の日差しの下で色とりどり織りなす花々に息をのむ。「旭川動物園」では、飼育員さんの創意工夫で生き生きとした動物たちとの出会いが、新たな感動を呼び起こす。知床半島への旅は、自然の荒々しい美しさに心を奪われる冒険となる。札幌に戻る道中、夜行バスの星空を眺めながら一日の疲れを癒やし、ラーメン横丁で美味しい夕食と共に、一日を締めくくる。


 秋の始まりと共に、北海道の広がりを背にし、東北への道を新幹線で進む。車窓からは紅葉が広がる風景が移り変わり、心は新たな冒険への期待で躍る。秋田の乳頭温泉にて、赤や黄色に輝く木々の中で白濁とした温泉に浸かり、静けさの中で穏やかな癒しを得る。岩手の平泉では、金色堂の荘厳さに心を清められ、歴史の深さを感じる。山形の蔵王で、露天風呂から見上げる星空と紅葉のコントラストに心奪われる。旅の終わりに福島の五色沼で、自然の神秘的な美しさに深い感動を覚える。


 冬の関東地方では、東京のクリスマスの輝きが街を彩る。イルミネーションが輝く銀座や新宿のストリートは、冷たい夜空を温かく照らし、人々の笑顔を引き出す。JR山手線に揺られ、浅草寺の新年準備の活気や秋葉原の現代文化のパルスを肌で感じる。千葉の原岡桟橋では、冬の海が漁船の灯りと共に穏やかな美しさを演出する。箱根へと足を運べば、「小田急ロマンスカー」から望む富士山の壮大な冬景色が心を奪い、温泉のぬくもりが旅の疲れを癒やす。年の瀬を静かな温泉で過ごし、新年は箱根駅伝の熱い情熱と共に迎える。


 真冬の中部地方への旅は、長野での信州そばの温かな味わいとともに始まる。ここから特急「しなの」に乗り、冬の冷え込みの中、心身を温める。次に、JR中央本線の特急「ワイドビューひだ」で、雪に包まれた白川郷へと向かう。その合掌造りの家々が作り出す静寂な美しさは、訪れる者の心を虜にする。旅は続いて、JR東海道新幹線で名古屋まで出て、それから近鉄の湯の山線で移動する。冬の澄んだ空気の中、御在所岳の壮大な景色が待っている。鈴鹿の山々に囲まれた凛とした美しさが、この旅の思い出を彩り、深い印象を残す。


 関西地方の春の旅は京都から始まりを告げる。桜の花が満開で、金閣寺や清水寺などの歴史的な寺院が一層引き立て、日本の伝統美を感じさせる。次に、JR奈良線に乗り換えて奈良へと向かう。春の陽光が差し込み、大仏と鹿たちとのふれあいが、心に温かな思い出を残す。その後、JR新大阪からJR紀勢本線の「くろしお」に乗り換えて和歌山へ。「白浜アドベンチャーワールド」ではパンダとの触れ合いが旅の中で特別なひとときとなった。大阪へ向かう際は、JR大阪環状線を利用して、大阪の活気ある雰囲気とストリートフードのタコ焼きに舌鼓を打つ。最後に神戸へ行く際に、JR神戸線を利用し、ケーブルカーを利用して六甲山の山頂からの夜景を堪能。


 初夏の四国への旅が始まる。高松の栗林公園で、和の庭園の静けさに包まれながら、心を静める。讃岐うどんの絶品を味わった後、四国八十八カ所の巡礼を通じて、心の静けさと精神的な充実を深める。次に、伊予鉄道で「坊っちゃん列車」に乗って、風情ある列車の旅も楽しむ。愛媛の道後温泉では、歴史深い温泉で心身ともにリフレッシュし、新たな活力を得る。しまなみ海道では、レンタサイクルに乗り、美しい瀬戸内海の景色と心地よい海風を肌で感じることができた。


 真夏の季節、山陽・山陰地方への旅が始まる。路面電車で広島の平和記念公園へ向かい、原爆ドームの静かな佇まいが平和の大切さを教えてくれた。広島風のお好み焼きを味わいながら、地元の人々の温かさに触れ、心温まるひとときを過ごす。宮島の厳島神社では、神秘的な海に浮かぶ鳥居と美しい夕日が旅の心に残る。岡山では、後楽園の美しい日本庭園で花々と緑に癒やされ、倉敷の美観地区で風情ある町並みを散策し、古き良き時代を感じる。特急「スーパーいなば」で行く鳥取砂丘では、広大な砂丘とユニークなラクダに圧倒され、松江城と出雲大社で歴史と神話の世界に触れる。


 秋の九州への旅が始まる。大分の別府で、紅葉の美しい温泉に浸かり、心身をリフレッシュ。その後、特急「阿蘇」に乗り込み、阿蘇山の色鮮やかな紅葉の景色に脱帽する。続いて、宮崎県の高千穂へ移動し、阿蘇山の火山活動によって噴出した火砕流が冷え固まり、それが侵食されてできた峡谷美が、訪れる人々の心を魅了する。沖縄への飛行機旅行では、首里城と古い金城町石畳道を散策し、沖縄の豊かな歴史を感じながら、秋の風を楽しむ。最後は恩納村の海岸でのシュノーケリングで、カラフルな熱帯魚や美しいサンゴ礁とともに、旅の素晴らしい締めくくりとなる。



 そして、旅は完結する。日本の各地を巡り、多くの景色と人々に出会い、それぞれの地域が持つ独自の文化、自然、歴史が日本の美しさを形作ることを感じた。旅の終わりに、僕は新しい始まりを見つけ、新しい旅へのスタートを切る準備ができていた。


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 新しい旅を始めるにあたり、能登の地震で行けなかった北陸地方と、途中下車できなかった県を訪れ、これまで見ぬ美しい景色と新たな出会いに伴う感動が、次の旅で待っていることを期待して。

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