モノクロームの世界に、お腹をみせてぷかぷか浮いている金魚だけが鮮やかに色づいている。読後、そんな映像が浮かんできました。
それから、大人の階段。あと、境目という言葉。
文字どおり、主人公は十代と二十代の境目にいるのですけども、それだけではなく、主人公はこの先の未来をきめるひとつの分岐点にいるのではないかなと。
男を手のひらで遊ばせる魔性の女か。
ダメ男にひっかかりつづける傷心女か。
それとも、しあわせいっぱいの肝ったま母さんか。
死んでしまった金魚が象徴するものは——。
主人公はここからどんな未来をえらんでいくのでしょう。