笑うのは、天使か魔族か、はたまた人間か……

世界が終焉を迎えるまでの秒読みをする装置、"崩壊の砂時計"の出現。これにより活発化する天使や魔族、そして堕罪者の脅威に晒される人類は、絶望的な状態にあった。
そんな世界を、"聖痕"の宿る少女・セラフィナ(めちゃ強い)が旅をする——。

聖教徒と異教徒との宗教対立。
そこへ介入する、謎の堕天使・死天衆。彼らとセラフィナとの関係とは。
混沌の中で繰り広げられる、セラフィナの旅路やいかに……。

硬派なダークファンタジーですが、類を見ないほどに洗練された美しい物語です。ダークらしいモノトーンな語り口でありながら、とても静謐でまるで讃美歌のよう。一言一句が、神聖さをまとっているのです。
まさに、芸術。堕天使ベリアルさまの美たるや、おぞましささえ感じるほど。そのほかのキャラクターも、愛嬌があったり慈悲深かったりと個性が際立っています。
戦闘描写も申し分なく、ダークなのに心躍り惹き込まれるのが本作の魅力ともいえましょう。伏線も満載なので、ついつい続きが気になっちゃうのは必至です!

「終わり」へとむかう世界で、一筋の希望はあるのでしょうか。
ぜひ、ご一読ください!

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