これは、現代の異類婚姻譚……になるかもしれないお話

 座敷わらし。一説によると、住み着いた家に幸運をもたらすとされる怪異である。

 さて。ここで一つ着目したいのはわらしの部分。わらしとは童。すなわち子供の事である。つまり座敷わらしとは、総じて子供の姿をした怪異である。

 しかしながら、この作品の座敷わらしは……大きいのである。色々と。

 そして色々とポンコツである。大きいのに。……まあそれはそれで良いものだ。




 メインテーマを一言で表すなら、私が思うにこの作品は主人公(人間)とヒロイン(大半人外、及び一部人間)のラブコメである。

 しかし甘ったるいラブだけでも腹を抱えて笑うコメデイだけでもない。時折急に挟まれるバトルや、断片的な主人公の過去話がアクセントとなって作品を飽きさせない。

 そして、中々相容れない人と怪異の在り方を、それでもある程度互いに歩み寄って妥協点まで持って行こうというそれぞれの行動には、どこか考えさせられるものがある。

 まだまだ先は長そうだが、これからが気になる作品だった。