たとえアンデッドだろうが何だろうが、彼は人間だ

 主人公、不死川宗介はうだつの上がらぬ探索者兼配信者だった。

 持っている特殊能力は自らへのデバフ系。戦えど戦えどレベルもまともに上がらず、ずっと同じ低ランクダンジョンをうろつく日々。

 いつの間にやら“最弱王”なる不名誉な通り名が付き、配信も毎回視聴者一桁程度とパッとしない日々。

 だが難病に苦しむ妹の為、治せる可能性のあるアイテムを求めて諦めずにダンジョンを潜り続けた結果、


 彼は、幸運を引き当てた。


 いつものダンジョンに突如出現した新エリアへの通路。それに一番乗りし、その先で誰も見た事のないレアアイテムを手にしたのだ。


 そして、彼は不運も引き当てた。


 レアアイテムを手に入れたのも束の間、上級探索者が束になっても勝てない大物モンスター、ドラゴンに出くわしたのだ。

 当然のように彼は死に、そして復活した。……骨だけのスケルトンとしてだが。


 妹を救うため、人間に戻るため、死んでも死にきれない男の戦いが再び始まる。




 所感としては、人外系成り上がり現代ファンタジーと言った所だろうか。

 スケルトンになったばかりの頃は弱いのだが、戦い続ける度にゾンビ、リッチとどんどん成長していくのは分かりやすい。

 だがもっとも肝心なのは、主人公はどこまでも人間であろうとしている所だろう。

 現在主人公の種族はアンデッドだ。そこは見た目からもステータス画面からも明らかで、人間からすれば攻撃対象だろう。

 しかし主人公はそこで自棄になるのではなく、変装でも何でもやってどうにかできないかと模索し続けている。そういう諦めないタイプは強いのだ。

 はたして彼は人間に戻れるのか、そして妹を救うことが出来るのか? これからの展開に期待したい。

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