あとがき
ここまでお読みくださいましてありがとうございます。
関西の高校生の女子のお話です。
登場人物はみんな関西弁をしゃべってます。私の使っているATOKに「話し言葉関西」の変換機能がついていて、ずいぶん助かりました。
ところで、関西に住んでいた期間の長い友人に、この物語のことばづかいについてチェックを依頼したところ、かなり大量の指摘が来ました。「こういう表現は京都の人はするけれど大阪の人はしない」とか、その逆とか、そもそも関西弁にはこんな言いかたはない、とか。
私もいちおう関西出身なのですが、両親の出身地はばらばらです。さらにその親までさかのぼるとさらにばらばらです。そのため、私が育った家で身につけたことばにはいろんな地域の言いかたや癖が混じっているらしいのです。
その私のことばが登場人物のことばに反映しているのですが、直すことはしませんでした。
この物語を思いついたのは、いまから一五年前、二〇〇九年の台湾ででした。
台湾に行ったのは職場の研修ででした。したがって、やるべきことはあったのですが、それでも、日本にいるときとは較べものにならないくらい時間に余裕がありました。
その時間に「こんな物語を書いてみたい」という設定やあらすじをいくつも作りました。
そのひとつが、この物語のもとになっています。
ちなみに、そのとき考えた設定を活かした別の一篇が『蒼蛇のヴァーリー』
https://kakuyomu.jp/works/16817330653840493721
です。よろしかったらご覧くださいませ。
その私の台湾滞在中に、友人(その関西のことばのおかしいところをチェックしてくれた友人です)が大阪に行って、大阪のことをメールに書いてきてくれました。
「大阪と言えばここ!」という定番の場所ではない、しかしとても「大阪らしい」場所のお話でした。
異国の地にいたこともあって、そのメールの内容はとても懐かしいものでした。
それを読んで「大阪を舞台にしたお話」の設定を作ったのです。
その設定を使って書いたのがこの物語です。
年末にどたばたして、三が日はひたすらだらけるという「古き良きお正月」を描いてみました。
ところで、「ソースをかけないままがいちばんおいしいたこ焼き」は、そのころ大阪に住んでいた別の友人に紹介していただきました。
その節はお世話になりました。
私は泊まっていたホテルに持って帰って食べたのですが、冷めてからでもソースなしで十分においしくいただくことができました。
あとは、「
じつは、この物語を書き始めて、この曲が出てくるところを書くまで「埴生の宿」の「埴生」は地名だと思っていました。実際に「埴生」という地名の場所はいくつかありますから(読みは「はにゅう」とは限りません)。
「
「埴生」はその赤土のある場所で、「埴生の宿」というのは、床が粘土の土間であるような粗末な家ということなんだそうです。
もしかして、知らなかったのって私だけ?
そんなことないと思うんだけど……。
英語の「ホーム、スイート・ホーム」の歌詞は、そういう粗末な家でもすばらしい生活を送れるんだ、というものとはまったく違いますが、どちらの歌詞も私は好きです。
それでは、また次の物語でお目にかかりましょう。
ホーム、スイート・ホーム 清瀬 六朗 @r_kiyose
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