★
0
概要
私は…今ここで君を諦めるほうがきっと後悔してしまう。
随分と森を走ってきたから足がクタクタでもう休みたかった。もう走るのはうんざりだったし、少し何か口にしたかった。けれど手持ちはないし着たきりで人前に出るのも難しい。それに…喉が焼けるように痛い。カイルは仕方なく大通りの道に出て周りを見渡した。まだ夜明け前だからか人はまばらだが、カイルを見た人はギョッとした顔をしている。すれ違いざまにカイルの顔を覗き込むも、ボサボサの髪が顔を隠しているせいで殆どの人は辛気臭いと言う顔をして行ってしまう。小さく溜息をついて歩き出した。とりあえずこの格好なら声をかけられずにいられそうだ。ただその期待もすぐに打ち破られた。『ねえ、君どうしたの?いい仕事紹介してあげようか?男の子も大歓迎だ。』カイルが顔を上げると目の前に男が立っている。傍に店があるポン引きの男だ。断ろう
おすすめレビュー
書かれたレビューはまだありません
この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?